そのバッテリー診断は正確ですか?

バッテリー診断の雄「米国ミドトロニクス社」が提唱するコンダクタンス技術

始動用バッテリーで重要となるのは、セルモーターを勢いよく回せることです。
そのバッテリーの評価として、とりわけ欧州を中心に米国ミドトロニクス社の「コンダクタンス法を用いたテスター」が普及しています。カーディーラーやバッテリーメーカーの評価に用いられると共に、バッテリーのワランティツールとして採用されるなど、デファクトスタンダードとしても認知されています。日本でも、その診断精度の良さから同社のテスターを採用するケースが増えています。

コンダクタンス法は、バッテリーに低周波の交流信号を送り、内部抵抗の逆数となる電気の流れやすさを表す「コンダクタンス(伝導率)」を測定します。これは、バッテリー内の極板が化学反応によってどれだけの電気を流すことができるのかを知る要素となり、流れやすい=健全ということが言えます。
始動用バッテリーの評価では、始動性指数と呼ばれるCCA(Cold Cranking Ampere)が重要な指標となります。CCAの値が高いほど、瞬間的に放電できる電気が力強いことを意味しており、そのままエンジン始動能力に直結します。
JIS規格には定格CCAが決められています。ミドトロニクス社のテスターは、コンダクタンステクノロジーで正確にCCA値を測定し、JIS規格に則ったバッテリーの劣化診断が可能です。
コンダクタンスとCCAとの相関が高いことも研究で明らかになっており、これが欧州メーカーを中心に同社のテスターを採用される理由にもなっています。

コンダクタンス法は、ミドトロニクス社が研鑽を重ね、同社のテスターにのみ採用されています。バッテリー端子に低電流・低周波交流信号を送って直接抵抗成分の影響を測定するため、バッテリーに負荷をかけない、繰り返しの測定が可能、また満充電(※)でないバッテリーも測定できます。
(※ 深放電している場合は、充電が必要な場合があります)

バッテリーの健康状態:SOH

バッテリーの健康状態を表す指標にSOH(States of Health)があります。
これは、初期の満充電容量に対する測定時(劣化時)の残容量を比率で表す考え方で、バッテリーの劣化状態を知る指標となります。
始動用バッテリーは、厳密には使用環境・状況によって異なりますが、一般的には年10~15%の能力劣化があると言われています。この劣化度合いもSOHと照らし合わせ、寿命のしきい値を定義することで、大凡の寿命時期を予測することができます。

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